PR

国民統合政府(GNU)結成&新内閣発足2024年6月30日

記事内に広告が含まれています。

5月に行われた総選挙で、与党アフリカ民族会議(ANC)は、アパルトヘイト=人種隔離政策撤廃以降30年間続いた議会の過半数(50%)を初めて失い、国民議会票(国と地域の投票)の39.77%を確保した。ANCは400議席中159議席を獲得し、2019年から71議席も減らし、大敗北の結果となった。DAは国民議会票(国と地域の投票)の21.78%を確保し、昨年より議席を3席増やし、87議席を獲得した。ズマ率いるMKは、初出馬ながら、14.36%を確保し大勝利し、議席58席を確保した。6月14日の議会での投票の結果、現職のラマポーザ大統領の続投が決定した。

News24 Election Map
IEC Result Announcement

国民統合政府【Goverment of National Unity】通称GNU

6月14日の議会で自由主義経済を重視する第2党DAなどとの連立政権の樹立で合意し、ラマポーザ大統領は国民統合政府【Goverment of National Unity】通称GNUを発足した。MK、EFFは選ばれなかった。

新内閣発足

ラマポーザ大統領は6月30日に複数政党から構成された閣僚人事を発表した。国民統合政府として、ANCとDAを含む11の政党が参加している。DAから当初要望していた閣僚ポスト12名から大幅減の6名、第三勢力IFPからは2名が閣僚として入閣した。中でも注目されるのは、農業大臣ジョン・ヘンリー・スティーンハイゼン(DA党首)、土地改革・農村開発大臣ムズワネレ・ニホンツォ(PAC党首)、自治大臣ヴェレンコシニ・フィキ・フラビサ(IFP党首)、スポーツ芸術大臣ゲイトン・マッキンジー(PA党首)、基礎教育大臣シヴィウェ・グワルベ(DA)、内務大臣レオン・シュレイバー(DA)

30年ぶりにANC以外の政党から選る出された大臣に注目が集まっている。私の経験上特に内務省は腐っていたので大幅改善されることを願っている。

img_9491-1

日本視点注目大臣

  • 貿易産業競争大臣

日本と最も太いパイプを持つパテル貿易産業競争大臣引退後、その後の動向に注目が集まっていたが、タウ自治副大臣が就任した。元ヨハネスブルグ市長で、今回飛び級的な出世になる。

  • 内務大臣

DAからシュレイバー大臣が就任した。主にビザ問題を主管する事になる。モッツアレディ前大臣、ギガバ前大臣が引き起こした汚職問題、大混乱、職員の不正大規模追求により省内は大幅改革と大幅改善が求められている。官僚主義の極みとなっている内務省をどのように率いていくか注目される。

  • 外務大臣

ラモラ法相が就任した。同法相は41歳で2022年末のANC総裁選挙にも立候補し、主要閣僚を歴任する事でANC総裁の後任候補の一人になる。

  • 電力エネルギー大臣

ラモホーパ電力大臣が、権限を大幅強化された形で再任。鉱物資源エネルギー省のエネルギー電力調達、公共企業省のエスコム監督権限を追加。南アフリカの計画停電は毎年深刻で、改善が必要である。

  • 鉱物資源大臣

マンタシェ大臣が再任。鉱山労組事務総長出身として、鉱山権益を保持したが、エネルギー部門を切り離されて権限が縮小した。

  • 財務大臣

ゴドンワナ大臣が留任しました。副大臣としてANCからマソンド副大臣が留任、DAからサレペン氏が副大臣に就任した。サルペン副大臣は、予算委員会、財政委員会の党責任者を努め、次期財務大臣を務める可能性が高いとみられる人物。ANCは危機感を募らせている。ANCからゴドンワナ大臣、マソンド副大臣の二名が留任したが、予算分野を守りたい意向がみられる。今後の動向に注目が集まる。

  • 科学大臣

ジマンデ大臣が再任。高等教育科学大臣から分離され科学革新大臣として庁レベルの所管になった。昨年9月に東京で開かれた水素会議にジマンデ大臣が南ア責任者として出席して覚書を締結している。日本では水素を担当するのは経済産業省だが、南アフリカは、貿易産業省、鉱物資源エネルギー省、電力担当大臣と分野が横断している中で、高等教育科学大臣が所管する不自然な形になっていた。水素担当を科学大臣が継続するのか、より適切な電力エネルギー大臣に移管するのか、日系企業のグリーンアンモニア(水素)の一兆円プロジェクトの参画にも影響すると考えられている。

このブログを応援する(≧▽≦)

コメント

タイトルとURLをコピーしました